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第31回奈良県生協大会を開催しました。
「災害復興の取り組みに学び、防災・減災に向けて私たちにできること」

【2021.10.25 更新】


10月9日、奈良県コンベンションセンターにおいて、災害復興と防災・減災をテーマに第31回奈良県生協大会を開催しました(後援:奈良県・奈良市)。紀伊半島大水害から10年が経過し、十津川村の復旧・復興に取り組まれた更谷 慈禧氏(前十津川村村長)による講演と県内の防災・減災について学び、各自の防災について振り返る機会としました。
生協関係者の他に自治体行政、地域諸団体から多数の参加があり、あわせて120名(会場参加67名、オンライン53名)が十津川村の復旧・復興と地域づくりを学び、県内の実践事例を共有しました。
開会に先立ち吉田由香理事から紀伊半島大水害で被害に遭われた方々のご冥福を祈り、黙とうを捧げました。
 森宏之生協連会長から「新型コロナウイルスの感染拡大で不平等や貧困が広がっており、協同と助け合いの価値が問われています。復興と防災の取り組みから学び、地域社会とのつながりを大切にしてSDGsの課題を連帯して進めます」と挨拶がありました。
ご来賓の水谷勝則奈良県文化・教育・くらし創造部次長から「安心して暮らせる地域社会の実現に向けて皆様とともに連携協力を取り組んで行きたい」と生協連への期待のことばをいただきました。

司会 吉田由香理事森 宏之会長

水谷勝則次長パネル展示

基調講演
    紀伊半島大水害から10年~復旧・復興を振り返る~
  更谷 慈禧氏(さらたによしき・前十津川村村長)  

更谷さんから冒頭に復興にあたり支援に対してお礼の言葉が述べられました。
2011年9月、台風12号は和歌山県・三重県・奈良県などに甚大な被害をもたらしました。十津川村では、大規模な山崩れが75カ所、発電所の大破、主要国道の落橋、180カ所の通行止めとライフラインが寸断され、200の集落が孤立するという事態になりました。役場職員の6割しか出勤できずそのうち3割は消防団で出動と圧倒的なマンパワー不足、また集落と連絡が取れず情報不足に陥りました。
復旧・復興からから安心して住める集落づくりをめざして以下のことを学びました。
大水害で学んだこと①「山を守ること」
村の96%が森林。その山をきちんと守っていたら、命やライフラインを守ることができ、地域環境を守ることができる。それが我々の使命と再確認し、林業の推進に取り組んでいます。

大水害で学んだこと②「助け合い、支えあうこと」
自分達の身を自分達で守るためには、日頃の防災・避難訓練が絶対必要です。孤立した集落では、住民共働で、道路崩壊箇所に仮橋・歩道を設置しました。集落への道が開通し訪問した時は、村民から逆に励まされました。

大水害で学んだこと③「自然との共生」
今後も災害は必ず起きる(南海トラフ巨大地震など)。点在する集落のくらしを守るために、防災体制を見直し、広大な村ならではの防災体制を考えました、高齢者の最後まで村で暮らしたいという願いの実現と安心・安全な拠点づくりを展開しています。過疎化・高齢化が進み、村が消えていく危機感がある中、これまでのコミュニティを継承しながら移住者を増やしていくことも重要です。

これからは地方の時代の到来です。人と人がつながり、人と自然のかかわりが大切ではないか問いかけられています。人と自然が共生できる社会づくりを進めていくことが大切です。

休憩の後、会場やオンライン参加の方々からたくさんの質問があり、丁寧に回答いただきました。


リレー報告
防災・減災に関わる取り組みをされている3団体から紀伊半島大水害での取り組みや実践事例を報告していただきました。

報告①
奈良県社協総合ボランティアセンターの取り組み 田中和博主査
近年の災害支援は、新型コロナウイルス感染予防のため、今までのように県外からの支援は望めず、県内で様々な団体が協働して復旧・復興に向けた災害支援が行われています。奈良県社協 総合ボランティアセンターは、全国組織とのつながりとして全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)と連携し、研修会を開催しています。また、県内で連携・協働できる場づくりとして 「奈良県防災プラットフォーム連絡会」に23団体が加わり、被災地からの要請に基づき、ボランタリーな領域で対応可能な災害支援及び復興支援活動を行うことや団体登録を呼びかけています。  最後に奈良県社協が災害支援で大切にしていることは「被災者中心」「地元主体」「協働」で、 災害の問題を「他人事」ではなく「我がごと」として取り組んでいます

報告②
  ならコープの防災・減災・復興支援の取り組み  岡本充規担当課長
 紀伊半島大水害時に天川村、黒滝村、野迫川村、五條市大塔支所(旧大塔村役場)へ救援物資 を届けました。職員ボランティアを募り、組合員への「お見舞いセット」800袋をお届けしました。天川村の炊き出しに役職員17人が支援に入り、台風12号災害救援募金にも取り組みました。ならコープのBCP(事業継続計画)に基づく災害対策は、電気自動車52台の配置、自家発電 システム、インタンクなどを設置し、生協として災害時に社会的役割を果たすために、万一の場合 にいつでも行動できるように家庭内での防災力の向上を目指しています


報告① 田中 和博主査報告② 岡本 充規担当課長

報告③ 後藤 唯治部長展示パネル

報告③労働者共済生活協同組合の取り組み     後藤唯治部長
  (こくみん共済coop奈良推進本部)
  安心のセーフティネット2本柱「もしもとその前後」「自助・共助・公助」を基に5つのポイントを紹介します。HPの「住まいの地盤診断サービス」で地盤の強さや、地震・液状化・浸水の可能性な どを住所から検索できます。また、防災豆知識「地震・津波・火山噴火編」「火災・風水害編」「避 難生活・天気予報・奈良の防災編」を基に、各自の災害への備えとして活用してください

奈良県災害対策課からパネルをお借りし、紀伊半島大水害とその復旧事業、土砂災害に対する奈良県の取り組み、土砂災害への対応策などを展示しました。また、会員生協及び奈良県生協連から紀伊半島大水害の支援や防災の取り組みを展示しました。


近年自然災害のもたらす被害は甚大であり、自助・共助・公助の枠を超えた県内での助け合いが重要です。皆様の災害の備えを改めて見直す機会となりました。

<参加者アンケート>
紀伊半島大災害から10年。もう10年、ま だ10年。どちらも言えるかもしれません が、記憶は徐々に薄れてきているのが実 情ですが、当時の災害のひどさ、大変さ、恐ろしさを思いだしました。奈良県は 災害が少ないといわれていますが今後 30年で大地震が起こる確率は高い県です。また、台風などの水害の懸念は毎年 あります。防災、減災に向けて基本的なこと(備えや行動)、プライベート業務、両方において改めて考えていきます。

今日は改めて災害に備えることの重要性を感じました。更谷さんのお話には 胸が苦しくなる程、大変さが伝わってきました。そして、山を守ること、自 助・共助の深い意味を忘れないようにしたいです。また近年のボランティ アセンターや支援者の減少にはコロナ禍の影響も直に響いているのが気になりました。コロナ禍でも関係なく、 災害は起こりうるので恐怖です。地域 の連携、本当に大切だと感じました。

突然の災害には、備えが大切とよくわかりました。その中で 自分たちの命を守ることをま ず一番に考えないといけない。防災グッズの準備などの 備えもしていますが、本番で役立つのか不安です。ご近所どうしのささえあい、助け合いができる地域を作っておきたいと思いました。「協働」もすごく安心感があります。

奈良県生活協同組合連合会

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