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第30回奈良県生協大会を開催しました。
~食品ロスをへらすために わたしたちにできること~

 

【2020.02.25 更新】

 2月8日、奈良ロイヤルホテルにおいて、食品ロスをテーマに第30回生協大会を開催しました。生協関係者の他に自治体行政、大学、地域諸団体から多数の参加があり、あわせて180人が食品ロスの実態を学び、県内の実践事例を共有しました。
2019年5月24日に「食品ロス」を減らすために「食品ロス削減推進法」が成立し、10月1日に施行されました。地域で暮らす誰もが大切にされ、おたがいをささえあう共生社会。それは今、深刻な食糧問題をかかえる地球の未来をみんなで解決しようというSDGs(国連が提唱する持続可能な開発目標)の取り組みにもつながっています。SDGsの目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」で「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」としています。
 森宏之県連会長から「誰一人取り残さない安心して暮らせる地域づくりを目指し、地域共生社会の実現に向けて取り組みます」と挨拶しました。開催にあたっては奈良県、奈良市の後援をいただきました。 
桝田斉志奈良県くらし創造部長から来賓挨拶をいただき、「食品ロス問題の取り組みをはじめ安心して暮らせる地域社会の実現に向けて生協連と行政との連携について」と生協連への期待のことばを頂戴しました。


森宏之会長桝田斉志部長

講演
食品ロスをへらすために、私たちにできること!
食品ロス問題ジャーナリスト/博士(栄養学)
株式会社office3.11代表取締役 井出留美氏

 井出留美さんからは、食品ロス問題にかかわってきた経緯や、食品ロス基礎知識や「食品ロス削減10か条」について、参加者にその場でリアルタイムアンケート(インターネットアンケート)を取り回答を紹介しながら意識の共有を図り、クイズを交えながら参加型でわかりやすく、SDGsも絡めお話していただきました。
井出さんの講演では、食品ロス発生の世界や日本の現状・ごみ処理費用のこと、家庭からの廃棄も約半分を占める事実、賞味期限と消費期限の違い、企業や行政、生協の食品ロスを減らすための取り組みなどを紹介していただきました。一方で社会では、貧困問題を抱えていることから、おてらおやつクラブやフードドライブ活動の紹介もあり、「冷蔵庫を便秘にしない、規格外などを活用する」などの「食品ロス削減10か条」や、「空腹状態で買い物に行かない、すぐ食べるものは手前から」などの「食品ロス削減家庭10ポイント」としての具体的な行動を示されました。「Food is life. Cherish life. 食べ物は命。命を無駄にしない世の中に。」で締めくくりました。

井出留美氏

リレー報告
県内で活動されている食品ロスに関わる取り組みをされている3団体から実践事例と思いを報告していただきました。

報告①おてらおやつクラブ  おてらおやつクラブの取り組み
代表理事/安養寺住職 松島 靖朗氏

 おてらおやつクラブができたきっかけは、今から6年前に大阪で母子が餓死状態で発見されるという報道があり、お寺として何かできることがないかと始めました。おてらおやつクラブの活動は、一言でいうと「お寺のおさがりをおすそわけする福祉活動」です。解決したい問題は、身近にある子供たちの貧困を解決したい。日本の子供で7人に1人が貧困状態にあり、18歳未満では280万人が貧困状態にあります。しかもただ単に物やお金がないということではなく、その家庭が人とのつながりが持つことができない、子どもを安心して育てることができない、悩みを相談することができない現状にあることです。
13,000人の子供たちは、日本中の1,413のお寺から届くおやつを楽しみにしています。これからもこの活動を通じて貧困問題を解決していきたいとの支援の要請がありました。

報告②フードバンク奈良  もったいない を ありがとう に 
副代表/事務局長   平川 理恵氏

 フードバンク奈良は、2017年12月に任意団体として設立し、2020年1月に奈良県から特定非営利活動法人の認証を受けました。ならコープほか行政や様々な団体からのフードドライブ活動によりささえられて食品の提供を受け、①必要な人や団体に供給する活動、②フードバンク・食品ロスなどに関する普及啓発活動、③こども食堂をはじめとする地域コミュニティづくりを支援する活動などに取り組んでいます。提供先によって求められる商品が違うことについてこども食堂、生活困難者支援、障がい者事業所・グループホーム等へのお届けの事例報告がありました。食品企業の提供が増え、ボランティアに係る人が増えることでさらにたすけあいの輪が広がることを期待します。

報告③ならコープ  ならコープの食品ロス削減の取り組み
組織・経営管理本部統括執行役員 奥西 武史氏

 コープSDGs行動宣言に基づき、「誰もがいつまでも笑顔でくらせる社会」をめざしています。
組合員、職員の学習・啓発活動として組合員のつどいで127会場3,077人の参加があり、食品ロスについて学習し、一人ひとりが家庭でできることを学び合いました。また、店舗での恵方巻ロス削減、フードドライブの実施、無店舗(宅配事業)での生産者やメーカーと連携した規格外商品(味に問題のない形状やサイズ不揃い商品)の販売、フードバンク奈良やこども食堂への商品提供などの取り組み報告がありました。

参加者の声(一部)
〇「知らなかったことが多く知ることができてよかった」
〇「食品ロスへの関心が急速に高まっているのを感じました」
〇「食品ロス削減推進法が成立したことにより、行政のほか、企業での取り組みがより一層進んでいくと思っています」
〇「行政として企業様の協力をいただきながら、何ができるか、何をすべきかを考えていきたい」
〇「『SDGsの活動が途上国に負担をかけていないか』『ゴミの焼却に税金が使われており自分にもかかわりがあることを認識しているか』など自分にとっても身近な問題であると再認識することができました」「『食品ロス削減=働き方改革』は新しい学びでした。本日学んだことを身近な人に伝え、実践することから始めようと思います」


松島靖朗氏平川理恵氏

奥西武史氏

奈良県生活協同組合連合会

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