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奈良県生協連2018年度会員生協役職員研修会を開催しました
「生協法と生協のガバナンス、役員の役割」
講師:下川 慶子 氏(日本生協連総合マネジメント本部法務部 弁護士)

【2019.03.30 更新】

2019年3月20日、2018年度の奈良県生協連役職員研修会を開催しました。「生協法と生協のガバナンス」をテーマに、日本生協連総合マネジメント本部法務部 弁護士の下川慶子氏に講演をお願いしました。会員生協の役職員28名が参加し、生協の組織運営にあたり最も基本的かつ重要な事項を改めて学びました。

【講義のポイント】
◆生協に関する法的ルール
生協が生協として活動できる根拠となる法律「生協法」と、各生協が定めている自治規範としての定款、規約、諸規程の関係について説明がありました。法規範に基づいて自治規範が定められ、下位規範は上位規範に従う関係になりますが、例えば出資口数の規定が定款と規則で矛盾する事例なども過去には見受けられたので、規約や諸規程を新設や変更する際には十分に確認することが必要ということです。
◆生協のガバナンスと各機関
ガバナンスとは、組織の構成員が相互協力し意思決定や合意形成を行いながら、組織の円滑な運営を図り自らを健全に統治すること。協同組合原則にある「人々の自治的な組織」と「共同で所有し民主的に管理する事業体」とは本来一体のものですが、事業体の高度化専門化が求められる今日の経済社会では、前者即ち組合員集団が後者即ち経営トップをいかにコントロールするかが重要であるという説明がありました。
 ガバナンスの仕組みとして総(代)会、理事会、代表理事、監事といった各機関の役割について説明されました。営利組織である企業の株主総会では、事業の遂行を取締役会に一任するのに対し、非営利組織であり組合員に利益を還元することを目的としている生協では、事業計画は総代会での議決事項です。また、重要事項の意思決定と理事の業務執行の監督を行う理事会の構成は、生協法により3分の2以上が組合員と定められています。
◆役員の義務と責任
 役員の基本的義務である「善管注意義務」「忠実義務」について詳しく説明がありました。生協に対して、あるいは第三者に対して損害を生じさせたときには、「任務を怠った場合」や「悪意や重過失があった場合」に責任が問われることになります。それらはいずれも結果責任ではなく求められる注意義務を果たしたかどうかというところが大きなポイントとなります。最後に、不正行為を予見できなかった事例、ずさんな事業計画が破たんして損害が生じた事例など、役員の責任が問われた4つの事例を挙げて法的責任の有無の判断について解説がありました。これらの事例を通して、内部統制やリスク管理体制の整備が組織運営にとっていかに重要であるかということが理解できました。

講義の後に質疑の時間を設け、会場から「総代定数の決め方は?」「現行の生協法で見直しが検討されている点は?」などの質問が出されました。生協ガバナンスをテーマにした研修は久々で、充実した学習の機会となりました。


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