【2018.02.01 更新】
昨年12月に「まだ十分おいしく食べられるのに、廃棄される食品を、こども食堂や福祉施設、生活困窮者に届け、食品ロス削減に向けた意識を醸成し、地域コミュニティーづくりを支援する」ことを目的に「フードバンク奈良」が設立されました。
その設立記念セミナーが、1月27日に奈良市のぷろぼの福祉ビル5階で開催されました。会場には前日までに奈良市が実施した職員対象の「フードドライブ」で寄せられた食材が141kg届きました。また、当日も食材提供の受け付けが実施され、15㎏の食材や米90kgがフードバンクに贈呈されました。
会場には、一般市民や奈良市、奈良県、生駒市などの行政、こども食堂運営者、生活支援団体の方、報道の方も含め約80名、フードバンクの役員10名と生協関係者など、約100名の方が参加しました。
渡辺一城(かずくに)フードバンク奈良代表(天理大学人間学部社会福祉専攻教授)から「福祉・環境、食に関わる様々な人々のネットワークで活動を始めるが、透明な運営を行う」と挨拶されました。
奈良市からの贈呈式では、奈良市堀川育子福祉部長から目録が渡辺代表に手渡され、フードバンク奈良からは奈良市に感謝状が贈られました。
その後、芦屋で先駆的に活動されている「フードバンク関西」の浅葉めぐみ理事長が「余った食べ物をあずかって、必要なところに届けます。~私たちの思い 『食べ物は命の糧、大切にしたい』」と題して、講演されました。国内での食品ロスの現状が紹介され、困窮する人にとってはすぐに食べられる食料の支援が効果的であると話されました。一方で、日本ではフードバンクに対する法的な支援制度がないことも指摘されました。
熱心な質疑応答があり、参加者の関心の高さがうかがえました。持続可能な組織作りに期待する声も多くありました。
来場されたこども食堂や生活支援団体や奈良市社会福祉協議会など9団体に食料が渡されました。
奈良県生協連も役員として参画し、当日のセミナーの運営協力をしました。今後も賛助団体として協力していく予定です。
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渡辺一城フードバンク奈良代表の挨拶 | 奈良市からの贈呈式 |
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奈良市からの寄贈品 | 浅葉めぐみフードバンク関西理事長の講演 |
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フードドライブ 食品の当日受付 | 奈良市社会福祉協議会にも食材提供 |