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ピースかふぇⅡ「被爆の記憶を次世代につなぐ」を開催しました

【2019.02.25 更新】

入谷方直さんと講師の栗原淑江さん
 2019年3月23日、ピースアクションをすすめる会(奈良県生協連と9会員生協、ならコープ平和の会で構成)が「NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」(以下「継承する会」)事務局の栗原淑江さんを講師に迎え、ピースかふぇⅡ」を開催しました。会場のコープふれあいセンター六条には38人の参加者が集まり被爆者運動の歴史と証言の継承活動の話に熱心に耳を傾けました。
 栗原さんは大学生の時に長崎被爆者の生活史調査に参加したことがきっかけで調査活動を継続、被爆者に「自分史」を書くよう呼びかけてこられました。日本原水爆被害者団体協議会(以下日本被団協)の事務局を経て現在は「継承する会」で活動をしておられます。
2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は前文で「ヒバクシャ」の容認しがたい苦しみに言及し、核兵器の完全廃棄の必要性を明確にしています。しかし世界でも日本でも核兵器廃絶は夢のまた夢とされた時期が続き、広島長崎の被爆者が命と人生をかけた今日までの運動はほとんど知られていないとして、栗原さんは今こそ「被爆者運動に学ぶ」ことが重要と強調されました。
 調査と収集、研究に基づく運動の中で解明されたのは原爆投下が決して「受忍」できない人類史上未曽有の被害をもたらしたこと。しかし日米両政府の責任は明らかにされず、1980年厚生省のいわゆる「基本懇」意見では被爆者に原爆被害の「受忍」を押し付け国家補償要求を拒んだそうです。栗原さんは、「日本被団協結成以来被爆者は、訴えるべきは訴え求むべきは求めながら自らを救うとともに、被爆の体験を通して人類の危機を救うことを運動の柱に貫いている」と話されました。
「継承する会」は被爆証言とともにこのような運動史の重要な資料も記録保存しています。栗原さんは会の活動や資料収集と保存・整理・活用の方法などについても詳しく紹介され、奈良の継承活動、そして各県との連携も進めていきたいとのことです。そして平和ライブラリーの機能を果たす拠点「継承センター」の設立も進めています。
続いて広島出身で奈良市在住の入谷方直さんが、昨年の「ピースかふぇ」で報告されて以降の県内被爆者の資料掘り起こし活動について報告しました。「わかくさの会」の前に存在した「奈良原爆被災者の会」の手掛かりが次第につかめてきましたが、調査をすすめるには個人情報の壁があるとのことです。
最後に交流の時間を持ち、参加者からはご自身の父上の被爆体験の紹介などがありました。またアンケートでは「次世代に伝えていくことは大切。記録も保存も頑張ってください。HPやいろんなところで目にできるといいですね。」「栗原さんのお話しから、被爆者のたたかいを知り、そのうえで活動することの意味を感じました。」「被爆の記憶遺産を継承するために、多くの人々の協力が必要です。よい機会だったと思います。」などの感想が寄せられました。


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